学術会議問題 政府が連発する「総合的、俯瞰的」の本当の意味
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ほかにもツイッター上ではこんな声が。
《「総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から判断した」。抽象的で全く何の説明にもなっていない》
《「総合的、俯瞰的」という具体性全くゼロで一切の判断根拠が不明の説明。説明責任をごまかしているだけ》
■明確な意味があった「総合的、俯瞰的」
10月2日の会見で、加藤官房長官は「総合的、俯瞰的」という表現は「総合科学技術会議の意見具申」に由来していると説明した。中央省庁改革の流れで、2003年2月に総合科学技術会議が出した「日本学術会議の在り方について」という具申書にこの表現はみえる。
<日本学術会議は、新しい学術研究の動向に柔軟に対応し、また、科学の観点から今日の社会的課題の解決に向けて提言したり、社会とのコミュニケーション活動を行うことが期待されていることに応えるため、総合的、俯瞰的な観点から活動することが求められている>
ここでいう「総合的」と「俯瞰的」の意味は、別の箇所を読めば理解できる。
<人文・社会科学を含む総合的な視点>
<科学者コミュニティの総体を代表して俯瞰的な観点>
日本学術会議は、一つの学問分野にとらわれない、さまざまな分野を含む“総合的”な観点と、個別の学会ではなく科学者全体を代表するような“俯瞰的”な観点から活動しなければならないということが、具申書で言われているのだ。