くらし情報『学術会議問題 政府が連発する「総合的、俯瞰的」の本当の意味』

学術会議問題 政府が連発する「総合的、俯瞰的」の本当の意味

つまり、「総合的、俯瞰的な観点」とは日本学術会議が活動する上で求められる学問的な姿勢ということになる。

そして、そうした活動を実現するために、<日本学術会議は科学者コミュニティの総体を代表し、個別学協会の利害から自立した科学者の組織とならねばならず、在来の学問体系や諸学問分野の勢力図から離れて組織が構成され、メンバーも選出されるべき>とされている。

■任命拒否の6人は“非常識な学者”?

菅首相が「総合的、俯瞰的活動を確保する観点から」6人の任命を見送ったということは、この6人がこうした観点からの活動を阻害する存在であると首相が評価したということになる。

たとえば、一つの学問分野に拘泥するあまりに他分野からの意見を妨げたり、特定の学会の利害しか考えないような学者ということなのだろうか。だが6人の経歴や過去の発言内容を見る限り、到底そのような“非常識な学者”であるようには思えない。

また、日本学術会議の会員は「優れた研究又は業績」を有していることが条件となっている。首相による会員の任命が、日本学術会議の推薦に基づかなくてはならないとされているのは、「会員候補者が優れた研究又は業績がある科学者であり、会員としてふさわしいかどうかを適切に判断しうるのは、日本学術会議であること」

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