コロナ弱毒化も懸念されるリスク インフル同時感染で重症化も
元WHO専門委員の医学博士・左門新氏もこう語る。
「治療実績を積んだことが死者数を減らした大きな要因だと思います。ただし、ウイルスはランダムに変異するので、弱毒化している可能性もあるでしょう。かつてSARSは終息しましたが、これはウイルスが強かったためわれわれが厳しく対処をしたからです。
長いスパンで見て、ウイルスが生き残って生物に感染し続けるには、あまりに強毒だと長く続きません。そのため、実は弱毒化したほうがウイルスは長く生き残るということはいえるでしょう」
冬の足音が近づくと、コロナとは別に、インフルエンザ感染にも警戒しなければならない。前出・左門氏は続ける。
「いまはコロナ禍で、手洗いや消毒、マスクなどの感染予防が徹底されているので、インフルエンザにかかる人はかなり少ないです。
ただ、コロナへの警戒を緩めて感染予防を怠れば、インフルエンザの感染者は増えると思います」
新型コロナとインフルエンザに“同時感染”するケースもありえるという。「中国・武漢の新型コロナ重症患者の約50%がインフルエンザにも感染していたとする海外の研究結果があるのです。同時感染すると、全身の免疫が暴走する『サイトカインストーム』現象が早まるともいわれています。