くらし情報『難病で右足失ったキッズモデルが再出発「痛みで記憶が無く…」』

2020年11月1日 11:00

難病で右足失ったキッズモデルが再出発「痛みで記憶が無く…」

(奈美さん)

ただ、海音の思いは、別のところにあった。海音が語る。

「処置室で、10人くらいのスタッフに囲まれて、足を切断するって言われました。どう説明されたのか、あんまり覚えていません。でも『切断して義足をつけると、歩けるようになる』って言われたのは覚えている。一生、歩けないと思っていたから、モデルとしての今後よりも、歩けるうれしさのほうが大きかった。迷いもありませんでした」

中1の夏、海音は右足を失った。

手術後、海音が病室で目を覚ますと、奈美さんの顔が見えた。


「全身麻酔をすると、口の中が砂漠を通り越すくらい、カッピカピに乾いて、喉がくっつくくらい。何か冷たいものが食べたくなって『アイス、買うてきて』って口から出てました」

顔をのぞき込む奈美さんは、海音の第一声に、「買うてきたる」と泣き笑いの表情でこたえた――。

手術後、義足だということを知られるのを極端に恐れ、対人恐怖症になってしまったという海音。しかしそれを克服し、再びランウェイに戻ってきた彼女を突き動かしたものはなんだったのか。

「義足であるのを黙っているのがだましているようでつらかったけど、言ってしまうと友達でなくなったり、人が離れていくのが怖かった。

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