なぜ“食の安全”への脅威?「種苗法改正」山田元農水相が解説
当然、店頭に並ぶ米や野菜、果物の価格にも跳ね返ってくるだろう。
「農水省はそれまでも、観賞用の花やきのこ類など82品目の自家増殖を禁じていました。ところが2017年に突然、コメや大豆、キャベツ、ナス、トマトなどメジャーな野菜を含む207品目も禁止に。いまでは約9,000品目に上っています」
さらに種苗法が改正され、自家採種が全面的に禁じられると、農業を続けられなくなる農家は少なくない。山田さんが直接話を聞いた農家の多くも「農業を辞めろということか」と、種苗法改正を危惧しているという。
一方で農水省は、「シャインマスカットなどの優良品種が、韓国や中国など海外に流出しないために必要だ」と種苗法改正の理由を述べている。しかし、山田さんは「それはウソだ」と断じる。
「2005年に山形県のサクランボの苗がオーストラリアに流出したとき、現行の種苗法で差し止めの仮処分、刑事告訴して、解決できています」
では、種苗法改正の本当の目的は何なのか――。
「これまでタネの育成・管理をしていた地方自治体に換えて、グローバル種子企業に、コメや大豆といった私たちの命の源を売り渡そうということです。たとえば、遺伝子組み換え作物で有名な『バイエル(旧・モンサント)