なぜ“食の安全”への脅威?「種苗法改正」山田元農水相が解説
代わりにできた農業協力支援法は、これまで税金をつぎこんで開発・育成してきた種子の知的財産権を、積極的に企業に渡しなさいという、とんでもない内容の法律なんです」
山田さんによると、現在すでに、世界のタネの約7割は「バイエル(旧・モンサント)」「コルテバ・アグリサイエンス(旧・ダウ・デュポン)」「シンジェンタ」という3大グローバル企業が製造しているという。そのうち、遺伝子組み換え種子は「バイエル」が90%だ。
このまま種苗法が改正され、農家が自家採種を禁じられ、多国籍企業のタネしか購入できなくなったら、どうなるのか。
いちばんの問題は私たちの“食の安全”が脅かされることだという。
「主食のコメや大豆が、グローバル企業がつくる遺伝子組み換えやゲノム編集されたタネに、徐々にですが置き換わる可能性があります。すでに、かつての『日本モンサント』である『バイエル クロップサイエンス』などはその準備を進めています。遺伝子組み換え食物を食べ続けることで、アレルギーや、がんなどが発生しやすくなることは、アメリカの消費者団体や、フランスのカーン大学の研究によって明らかになっているのに、です」
種苗法改正案の審議中は、参議院議員会館前で座り込み抗議を行うという山田さん。