「できないのは恥」ゴミ出し困難を隠したがる高齢者の実態
年を重ね、身体機能や認知機能が衰えることにより、ゴミ出しができず、家にため込んでしまう。そんな“ゴミ出しができない高齢者”が問題になっている。
環境省は’19年にゴミ出し支援に関する全国調査を実施。回答を得た1648市区町村のうち、ゴミ出し支援を行っているのは23.5%だった。回答した自治体の87.1%が「高齢化でゴミ出し困難な住民が増える」と危機感を抱く。
「高齢になると、誰もがこれまで普通にできていたことができなくなります。ゴミ出しもその1つ。特に、地域のゴミ置き場までゴミを出しに行く『ステーション回収』は、高齢者にとっては負担が大きい。
何とか歩くことはできても、片手に重いゴミ袋を持って置き場まで歩くのは無理という高齢者も多いのです。また、ふだんはなんとか出せていても、雨や雪ではゴミを出せずため込んでしまう、というケースも。近所の人や子どもに頼めば、と思うかもしれませんが、ゴミ出しは買い物と違って頼みにくいと感じる人が多数です。さらに、認知機能が衰えてくるとゴミの分別が難しくなります。分別ができないことで隣人とトラブルになり、ゴミが出せなくなる人も。その状態が続けば、当然いつかはゴミ屋敷になります」