2020年12月17日 06:00
64歳ホームレス女性殺害事件「明日はわが身」の悲痛
もともと経済基盤が脆弱な人が、ひとたび転落したら“自助”だけではどうすることもできない。
「もちろん自助努力は大事です。自分自身の人生なんだから。でも、住まいまで失った状態で、自助はどこまで可能でしょうか。“私も応援するから、あなた自身もがんばりなさいよ”というのが、本当の自助じゃないか。つまり、自助というなら、共助も公助もそばにないといけない。だから国の代表者は『なにがあっても絶対に助ける。見捨てるようなことはしない。
だからあなたもがんばって』というメッセージを、まず発するべきなんです。私は、管首相が発した『自助・共助・公助』というメッセージがミスリードを招いていると感じています。『自助・共助・公助』では、自分もまわりもつぶれてから来い、と言っているように聞こえます」
奥田さんは、コロナ禍で仕事や家を無くした人用の支援付きワンルームマンションを全国に用意するため、今年5月クラウドファンディングを実施。なんと約1億1500万円が集まった。
「寄付してくださった方が1万289人で、一口の寄付金額3万円以下の方が98%なんです。つまり“気の毒な人を助けよう”というより、“いつなんどき自分が同じ立場に立たされるかわからない”という危機感の表れだと思います」