2021年2月26日 15:50
実体経済を反映していない「株価3万円」は暴落と隣り合わせ
3つ目は、コロナ禍のなかでも業績好調な企業もあります。そうした好調企業でさえ、新型コロナの感染拡大を言い訳に、給料の据え置きやリストラなどでコストカットをはかり、企業業績をさらに押し上げているのです。
ですから、いまの株価高騰は、不景気感が漂う実体経済を反映するものではありません。地に足がついていない“バブル”なのです。
読者世代の皆さんは、平成初めのバブルを経験していますから、「バブルは必ずはじける」ことをご存じでしょう。
今回のバブルも例外ではなく、はじけるときがやってきます。ただ新型コロナが収束するまでは、世界の金融緩和政策は変わらないでしょうから。株価は多少の乱高下があっても、暴落することはないでしょう。
問題は、新型コロナの収束後です。世界中で金融の引き締めが始まると、バブルが一気にはじける可能性が高いと思います。
そんななかですが、「株価上昇中のいまこそ投資のチャンス」と考える方がいるかもしれません。確かに、あと1年くらいはいまと似た状況が続くと予想されますが、暴落の危険と隣り合わせです。平成のバブルもそうでしたが、個人投資家はバブル崩壊の予兆をつかむのがむずかしく、株を売り抜ける判断が遅くなってしまいがちです。