きれいになるほど家族関係が悪く…夫婦ゲンカが生まれる部屋
そしてたいていは、『自分はこんなにがんばっているのに、パートナーや家族は何もやらない』と不満やストレスを抱えています。また、はやりの収納法を次々と取り入れ工夫しているのに家族の協力が得られない、というケースも同様です。こう聞くと、“やらない側”が悪いように思われがちですが、そうとも限りません。その相手も、自分と異なる価値観を押しつけられ、断ったり、言われたとおりにできないと、毎回怒られたり機嫌を悪くされることに、同じようにストレスを抱えているのです。互いに苦しい状況が続くと、つい相手を否定、攻撃、拒絶しがちになる……つまり険悪なケンカを引き起こしてしまうんですね」
これが、“ケンカが生まれる部屋”の原因のひとつでもある。ではなぜ、こういった軋轢が生じてしまうのだろう。
「多くは、“きれいな部屋がいいに決まってるじゃん!”という思い込みによるものです。きれい好きで片づけ上手な人はつい、“自分が格上、きれいが正しい”と考え、行動してしまいがち。
たとえば、家族にとって公共の場ともいえるリビングダイニング(LD)のものを勝手に移動したり、捨てたり増やしたりするなど。本人は“きれいのため”でも、自分以外の意見を否定し、みずからコミュニケーションを断絶していることに気づいていません。