くらし情報『憲法学者・木村草太「コロナの失政を憲法のせいにするな」』

憲法学者・木村草太「コロナの失政を憲法のせいにするな」

にも盛り込まれている。

「日本はコロナで危機的な状況ですが、要は政府の権限が弱いから、コロナ対応がうまくいっていない、だから憲法に緊急事態条項を入れる必要があるというロジックです」(同前)

いっこうにコロナ終息が見えない状況で、こうした主張は一定の説得力を持つのだろうか。改憲に賛成する声は急激に増えている。3日に発表された読売新聞の世論調査では憲法を「改正する方がよい」が56%と、1年前の調査より7ポイント上がった。だが、本当に緊急事態条項がないとコロナ対応はできないのか。憲法学者で東京都立大学教授の木村草太さんに聞いた。

■「怠慢や失策を棚に上げ、憲法に責任転嫁」

「1990年以降だけで104カ国が新たに憲法を作られた。すべてに緊急事態条項が入っている」

5月3日の改憲派民間団体の集会に参加した自民党の下村博文政調会長(66)はこう主張した。
改憲派はしばしば緊急事態条項は世界の常識と言うが……。「『緊急』や、それに相当する言葉が入った憲法の条文を持つ国はありますが、内容は多種多様で各国に共通する『緊急事態条項』というものは存在しません。ですので『外国にはある緊急事態条項が、日本にはない』という前提が誤っています」

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