「黒塗りでは終わらせない」ファイル公開に赤木さん妻語る決意
誰のどんな指示があったために、俊夫さんが死に至ったのか、その真実を明らかにしたいとの思いからだ。
そこで真相解明の糸口となっていたのが、赤木ファイルである。雅子さんは、これまで国にファイルの開示を求めていたが、国はその存否さえ明らかにしてこなかった。
しかし今回、6月23日に大阪地裁で行われた第4回口頭弁論にあたり、ついにその赤木ファイルが裁判資料として提出され、ついに内容が公開されたのだ。
全518ページの膨大な赤木ファイルは、まさに俊夫さんが命を懸けて残した「国の改ざんの記録」。そして、決してやりたくない改ざんをやってしまった俊夫さんの悲痛な心の叫びでもある。
■的中した雅子さんの懸念
この日の弁論の最後に、雅子さんは背筋を伸ばし思いを述べた。
「赤木ファイルを見て、手書きの文字が夫の字だとすぐにわかりました。
夫が苦しい立場に追い込まれながら、赤木ファイルを作ってメモを残してくれたのだと思うと、涙が出そうになりました」
雅子さんの知らなかった事実もたくさん記載されていたという。
「夫が、具体的な説明もなしに、改ざんに反対をしても、一方的に改ざんを指示されて苦しんでいたことが、わかりました」