2021年9月27日 18:38
勤務先クラスター死亡で8700万円訴訟が…コロナ禍出社強要は違法?
だ。はたして、コロナ禍における安全配慮義務はどこまで認められるのか、感染してしまった場合は補償を求められるのか、佐々木弁護士に聞いた。
■自宅勤務が可能なのに出社を命じられたら…
そもそも、「安全配慮義務」とはどういうものだろうか?
「使用者(会社側)は労働者を指揮命令下において働かせるので、労働者の健康などに危害が生じないよう、安全な就労環境を提供する義務があります。かつては、働いていることが原因で労働者が病気になったり怪我をしたり、亡くなってしまったりした場合でも、使用者はなんの責任を負いませんでした。そこで労働契約における付随義務として、判例が積み重ねられ、今では労働者が安全で健康に働けるよう配慮することを使用者に課しているのです」
安全配慮義務とは、労働契約がなかった時代から徐々に労働者が勝ち取ってきた権利。たとえば、職場の「健康診断」や「ストレスチェック」も安全配慮義務から始まっている。最近ではセクハラやパワハラなどの裁判でも、会社側の安全配慮義務違反が認められるケースが増えた。そこで気になるのが、感染力が強く、最悪の場合は死に至ることがある新型コロナウイルスと安全配慮義務との関係だ。