老後の家計を襲う“年金受給額の目減り”がコロナ禍で加速する
この時点で9万円以上も年金受給額が下がる計算となるのです」
今から30年後の予想だからと安心してはいけない。
「コロナ禍の現在、コロナ関連の融資総額は60兆円ほどありますが、おそらく半分の30兆円は返済が厳しく、焦げ付くと考えられます。店をたたまざるをえない人も多い。飲食店などを経営する個人事業主にとって、毎月の国民年金保険料の負担は大きいでしょう」
■年金から天引きされる介護保険料の値上げも
そして企業の業績が下がれば、給与も下がり、納められる年金保険料も減少する。
「財政検証はコロナ以前に作られた試算。コロナのような感染症災害、台風や大雨などの自然災害などが想定されていません。本来ならもっと最悪のシナリオ7、シナリオ8まで想定すべきでしょう。財政検証の予想よりも早く、国民年金の財源が枯渇する可能性は否定できない。
現在40代、50代の人も無関係ではありません」
さらに、65歳以上の多くの人が年金から天引きされる「介護保険料」に注目するのは、前出の拝野さんだ。
「年収や住んでいる自治体によって異なりますが、介護保険料は平均すると月6,000~7,000円ほどです」
団塊の世代が75歳以上を迎える「2025年問題」