2021年11月14日 06:00
「つっぱり棒博士」で3代目社長 これからも製品で顧客に恩返しを
とともに試行錯誤を重ね、75年、つっぱり棒を日本で初めて商品化。つまり、いまや日本中の家庭で愛用されるつっぱり棒を生み出した老舗企業の3代目、それが竹内さんだ。
多忙な社長業のかたわら、竹内さんは先述の動画配信をはじめ、テレビの情報番組や女性誌など、さまざまなメディアからひっぱりだこだ。そんなとき、彼女は自社製品にとどまらず、他社のものまで紹介しながら、つっぱり棒の魅力や可能性を伝えている。
「じつは、前職が新聞記者なんです。だから、いかにしてニュース性を高めるかは、多少なりとも理解しているつもり。それに、メーカー情報の押し売りって私自身も響いてこないので。他社製品のことや、たとえ会社にとって都合の悪いことでも、お客さんが本当に欲している情報を伝えていこう、そう心がけてます。
つっぱり棒がもっともっと世の中に普及することが、第一の目的ですから」
転職したのは11年前。当時、社を率いていた父が病いに倒れたことが、直接のきっかけだった。家業とはいえまったく畑違いの仕事に、当初は悪戦苦闘の連続だった。
「32歳のときに社長に就いたんですけど、プレッシャーもありましたし、なにより自分の未熟さもあって。