2022年3月7日 11:00
宇垣美里の最旬おすすめマンガ5「挑戦に年齢は関係ない」
いまやローストビーフは得意料理です」(宇垣さん・以下同)
■『海が走るエンドロール』たらちねジョン/秋田書店
65歳で夫と死別し数十年ぶりに映画館を訪れたうみ子に、運命的な出会いが待っていた。海(カイ)という映像専攻の美大生に出会い、自分も「映画を制作したい側なのだ」ということに気づくうみ子。「でも、おばあちゃんだものね」と戸惑いながらも美大入学を決意。心を騒ぎ立てる波に誘われるまま、映画の海へとダイブするのだった。
「撮ることに目覚めるのは65歳の女性です。最近、ヒロインの年齢層の高い作品はありますが、とくにうみ子は魅力的。『なにかやってみたい』という願望のある読み手の背中をそっと押してくれます」
いくつになっても何かを始めるのに遅すぎることはない。夢を追うことができるのだということを美しい絵柄とともに教えてくれる。
物語の随所に海がモチーフとして描かれる。この巧みな表現力も見どころと宇垣さんは言い、「映画を撮ることが好きなのだ!」とうみ子が最初に気づき覚醒していくシーンでは、ドバーンと波が押し寄せる。「この比喩表現がすごい!」と宇垣さんは絶賛。
「一方もう一人の主人公、海のキャラは低体温な感じでグイグイいくタイプではないのに、この若さにうみ子がどんどんもっていかれていく展開も目が離せないのです」