2022年3月10日 11:00
株価暴落“岸田ショック”止まらず…50代夫婦の年金が月額9万円減も
長期的な運用ができる状況ではなくなりつつある」(近藤さん)
現在、コロナ禍による業績悪化で国民の賃金が下がり、それに伴い集まる年金保険料が減少しているとみられている。
そのしわ寄せはすでに受給額にも表れており、厚労省は、4月からの年金支給額を、昨年より0.4%引き下げると発表。厚生年金のモデル世帯の受給額は、月額22万496円から903円減額となる。年間では1万836円のマイナスだ。
■この先20年で年金の積立金が枯渇する可能性も
このように、年金財政は待ったなしの状況。近藤さんは、GPIFの資金は早ければ年内にも取り崩されると予想する。
「年間の年金支給額は55兆円ほどですが、そのうちの5兆円前後をGPIFの積立金でカバーすることになりそうです」
しかし、コロナ禍やウクライナ情勢など、先行きが不透明な状況が続くなかで5兆円分の株を売却すれば、さらなる株価下落を招くことにもつながってしまうという。
「海外株式に関しては、売却時に円に換金するため、株安を招く円高を誘発します。
株価が下落し、企業の業績が悪化すれば、私たちの賃金はさらに下がることになります」(近藤さん)
すると年金保険料がいっそう集まりにくくなり、それを補填するためにGPIFがさらに株を売却し年金積立金を取り崩し、株安を招く--。