2022年3月12日 06:00
ウクライナ大統領の演説が心に刺さる理由を専門家が分析「映画の主人公のよう」
24日に開かれたEU首脳の緊急議会で、ゼレンスキー大統領が「我々は、欧州の理想のために死んでいく」「生きて会えるのはこれが最後かもしれない」と支援を求めたことについて、「ゼレンスキー大統領、優秀すぎる」と語っていたのだ。
いったいなぜゼレンスキー大統領のスピーチは、人々の心を揺さぶるのだろうか?本誌は『あの演説はなぜ人を動かしたのか』(PHP研究所)などを著書に持つ、コピーライターの川上徹也氏に聞いた。
川上氏は「話している内容が簡潔でとてもシンプル」と評した上で、「ゼレンスキー大統領は、映画やドラマのような『ストーリーの黄金律』の主人公であるからです」と説明する。
この「ストーリーの黄金律」とは、川上氏が考案した法則。「(1)何かが欠落した欠落させられた主人公が、(2)ちょっと無理なのではという高く険しい目標に向けて、(3)色々な障害や葛藤、敵対するもの、自分自身の弱さを乗り越えていく」という3つの条件を満たしたときに成立するというもの。これをゼレンスキー大統領にあてはめると、次のように表せるという。
「(1)軍事大国ロシアに一方的に侵略されたウクライナの大統領が、(2)最後まで祖国ウクナイナのために戦い抜きロシアを撤退させるという目標に向かい、(3)