2022年3月12日 06:00
ウクライナ大統領の演説が心に刺さる理由を専門家が分析「映画の主人公のよう」
支持率も下がっていてすぐに逃げるだろうと思われていたゼレンスキー大統領が、逃げずに勇敢に立ち向かっているという意外性も、多くの人の心を打った理由でしょう。ただし、このように国民を巻き込み、軍事大国ロシアに総力戦で立ち向うことが正しかったかどうかは、このあとの結果を見てみないと現時点では何とも言えません」(川上氏)
それでは、プーチン大統領はどうだろうか。
特別軍事作戦を決定した際、テレビ演説で「ウクライナ政権によって8年間にわたり、虐待や集団虐殺を受けてきた人々を守ることが目的だ」「ウクライナの非軍事化、非ナチス化を目指し、ロシア国民に対して血生臭い罪を犯した者たちを裁く」などと糾弾したプーチン大統領。
その後、軍司令部に核抑止部隊を厳戒態勢にするよう命令。3月5日には欧米諸国などがロシアに対して経済制裁を強化したことについて、「宣戦布告のようなものだ」と牽制した。その一方で、プーチン大統領は国内の反戦デモを取り締まり、言論統制を開始。主要なSNSへの接続を遮断すると発表し、「虚偽」と見なす情報を拡散した者には刑罰を科せるよう法律までも改正した。
スーツにネクタイ姿で安全な場所にいるプーチン大統領は、軍服を着て危険な場所にいるゼレンスキー大統領とは対照的。