2022年4月7日 06:00
コロナで肺炎疑いの乳児が入院できず死亡…遺族が悲惨な医療現場の実態を告発
「解熱剤を飲んでも39度前後の熱が続いていました。痰が絡んだような咳をして、喉も痛そうで……」
容態が急変したのは、発症から4日後の2月16日。
「朝食後、横になっている兄の顔を見ていたら急に青ざめていったんです。抱きかかえて、『だーだん!』と呼んでも反応がなくて」
その後、救急車で再び搬送された静岡病院で死亡が確認された。
「障がい者が重症化しやすいことは、海外では当たり前のこと。最初に救急搬送されたとき、適切な診察と治療を受けられていたら、兄は助かったかもしれません」
静岡病院にこの対応について問い合わせると「個別の事案にはお答えできない」と回答。静岡市は、「病院が適切に対処するはず」の一点張りだった。
3月30日には、都内でも10歳未満の男児がコロナで死亡。
いまだ状況は改善されていないようだ。
『倉持仁の「コロナ戦記」』(泉町書房)の著書があるインターパーク倉持呼吸器内科院長の倉持仁さんは、医療放棄の原因を指摘する。
「いちばんの問題は、厚労省が酸素飽和度の値や基礎疾患の有無だけで、入院の可否を決めるようなガイドラインを作っていること。現場がそれに甘んじていることも問題です。