2022年4月7日 06:00
コロナで肺炎疑いの乳児が入院できず死亡…遺族が悲惨な医療現場の実態を告発
と依頼。ところが保健所からは、「今日受診できるところがありません」という返事が……。
「私は驚いて、『どこかないですか?』と食い下がったんですが『無理ですね』と。それで、仕方なく1日待ったんです」
翌25日、川谷さんは彩香ちゃんを連れて、紹介された舞鶴赤十字病院を受診。しかし、「ここでの診察が不十分だった」と川谷さんは後悔をにじませる。
「聴診器をちょっと胸にあてて、喉を見ただけで1分もせずに終わったんです。『肺炎の疑いがあるけど、ゼーゼーは鼻が詰まっているだけ』と。コロナだから早く帰ってほしいのかなと感じたくらいです」
帰宅後、保健所から届いたパルスオキシメーターで測定するも、乳児の小さな指では正確な数値が測れない。
処方された薬を飲ませても呼吸の改善は見られず、翌日、彩香ちゃんの容体が急変した。
「朝食後、彩香の顔色が急に悪くなって。急いで再度、舞鶴赤十字病院に駆け込みました。でも、『今日は診られません』と断られて」
その後、受け入れ可能な病院が見つかったが、到着したとき、すでに彩香ちゃんの息は途絶えていた。
入院中だった妻が到着するまでの約4時間、医師は蘇生措置をしてくれたが、彩香ちゃんが息を吹き返すことはなかったという。