2022年5月12日 06:00
山では不法投棄になることも…注目集まる「散骨」のルールとマナー
《自分が亡くなったときは、遺骨を海にまいてほしい》と考える人が増えてきているという。そんな「散骨」に必要な費用や手続きはどうなっているのか、専門家に聞いたーー。
4月17日、神奈川県・葉山沖で、作家で元東京都知事の石原慎太郎さん(享年89)の「海洋散骨式」が営まれた。
「一緒に見送ってくれた海の友達がいて、本当におやじにとってよい場所だったんだろうなと」
次男でタレントの石原良純さん(60)は、散骨は故人の希望であったことを明かし、父親の遺言をかなえた心境をそう語っていた。
そもそも散骨とは、《死者の遺骨を粉にして海や山へまく葬礼》(広辞苑第七版)と定義されている自然葬のこと。現在その多くが“海洋散骨”だと言われている。
「石原さんのように、ご自分が亡くなったときに、散骨を希望されるという方は年々増加しています」
このように語るのは、全国45社の散骨事業者が加盟する、一般社団法人日本海洋散骨協会副理事長の中田真寛さん。
昨年、同協会に加盟する事業者が行った年間の散骨施行件数は、1,709件。
毎年200件以上も増え続けているという。
同じ自然葬である樹木葬の場合、樹木や植物を墓標の代わりにして土中に遺骨を埋葬するので、「墓地、埋葬等に関する法律」