2022年5月15日 06:00
沖縄本土復帰50年 集団自決では祖母が祖父に「殺して」とせがんだ
それをよくわかっていたから、祖父も言われるがまま、何も反論しなかったように、私には思えるんです」
■米兵にレイプされることは死に匹敵することなのか?
「調査をするなかで、集団自決の犠牲者の83%が女性と子どもということがわかって驚きました」
さらに、集落各家の家族構成も丹念に調べ上げた。すると、女性と子どものいない家庭では、集団自決がなかった事実も判明した。
「それで、いろんな人にぶつけて聞いたんです。『なぜ、こんなに女性が多いのか?』と。すると決まって『強姦されるよりは死んだほうがいいから』という答えが平然と返ってくる。そこで私は、また考えたんです。『本当に女性にとって、レイプされることは死に匹敵することなのか』と。そこからです、女性史の研究を始めたのは」
宮城さんは沖縄の歴史や慣習を女性の立場から検証する一方、戦後も、1972年の本土復帰以降もやむことのない、米軍関係者による数多のレイプ事件についても、公文書館に足繁く通うなどして調査を続けている。
その過程で彼女が見つけた事件では、生後9カ月の嬰児がレイプ被害にあったという痛ましいものまであった。
「大学の講師を務めていたころ、学生にはこう言ってきました。