くらし情報『沖縄本土復帰50年 集団自決では祖母が祖父に「殺して」とせがんだ』

2022年5月15日 06:00

沖縄本土復帰50年 集団自決では祖母が祖父に「殺して」とせがんだ

ここは沖縄・座間味島。那覇市の西およそ40kmに浮かぶ、エメラルドグリーンの海に真っ白い砂浜がまぶしい、楽園のような島だ。しかし、いまから77年前。「アメリカー(米軍)に捕まったら男は八つ裂き、女は強姦される」と日本軍から徹底的に教え込まれてきた島の男たちは「そんな目に遭うぐらいなら」と次々と妻子、姉妹を手にかけ心中をはかった。この「集団自決」と呼ばれる悲劇の犠牲者は、優に200人を超す。

宮城さんは、ふるさとの島で起こった惨劇の調査を長年、続けている。折に触れ島に帰り、親族はもちろん、口の重い島民たちから貴重な証言を数多く引き出してきたーー。

■祖父の七回忌のとき祖母は泣き通しだった。
宮城さんは祖母の涙の意味を考え続けた

「米軍が上陸した26日、田中さんはどこの壕にいらしたんですか?」

宮城さんの、座間味での先月の聞取り調査。集団自決を生き延びた田中さんの、あの日の行動を確認していた。「私は母と祖母と妹と、海のそば、『ユヒナのガマ(壕)』にいた。それで、同じそのガマに家族と逃げてきた学校の先生が、手りゅう弾を持っていて。『一緒に死にたい人は近くに来なさい』と。私は母たちに泣きながら『さよなら』と言い残し、先生の近くに。

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