2022年5月21日 06:00
伝説のお笑い講師語る“痛みで笑いとるバラエティ”の問題点「イジメの構図そのもの」
一度私も舞台のリハーサルでやってみたのですが、実はあまり痛くないんですよ(笑)。一瞬のことで、苦しみが長時間続くわけでもありません。でも、ビジュアル的にはしっかりと笑いがとれるわけです」
いっぽう、BPOが指摘している例は長時間の痛みや苦痛が想像できる。
「『全員集合』も『ひょうきん族』も、やることがもっと単純で、見ていて“滑稽”なんです。現在テレビで放映されているような、苦しい状況を助けることなく放置し、さらに嘲笑するのは“教育に良くない”という次元を超えた悪質さを感じます」
■テレビ局と制作側の連携がうまくいかず、あわや大惨事
さらに本多氏は近年気になった、バラエティでの“悪質な笑い”のケースを3つ挙げた。まず1つ目は’18年6月に放送された『水曜日のダウンタウン』(TBS系)での、コロコロチキチキペッパーズ・ナダル(37)を“突然車で連れ去る”という企画だ。
東京のJR恵比寿駅西側にあるロータリー付近でロケが行われたが、目撃した人たちが「男性が連れ去られた」と相次いで110番通報したことで、警視庁渋谷署が番組担当者を厳重注意したという騒動にまで発展している。本多氏は、こう述べる。