元ITウーマンが開いた“1食無料”の食堂 誰もが安心できる居場所を
「彼は金融機関勤務で、いまも店のお金回りを見てもらっています。アイデアマンの私と、その実現可能性を支援する夫という組み合わせは、何か始めるにはピッタリでした。夫が店に出ることはありませんが、ずっと良き理解者です」
また、コロナでお客は減ったが、常連の理解ある友人もでき、「食堂の雰囲気が前よりやわらいだ」と言われることが多くなった。
■“おなか減った、誰も自分のことなんて気にしてくれない”という人を放っておけない
こうして2015(平成27)年9月13日、未来食堂がオープン。メニューは日替わりの1種類。お客さんは、座ったらすぐ、入店3秒で食事ができる迅速提供。行列がなければ、食事後、お菓子や果物のサービスもある。店内に置かれた書籍や画集は、半月ごとに入れ替え、自由に閲覧できるようになっている。
開店初日は40人、平日も平均50人が訪れた。開店1年で、テレビ9回、ラジオ8回、雑誌8回、インターネットでは26回取り上げられ、広告費ゼロで人気店になっていた。16年12月には、その年最も活躍した女性として、日経ウーマン・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
「まもなく7年になりますが、食堂は比較的順調にきています。