くらし情報『最後の“銀座の花売り娘”81歳。作家・伊集院静さんとの路上での“対決”』

2022年12月4日 06:00

最後の“銀座の花売り娘”81歳。作家・伊集院静さんとの路上での“対決”

※JASRAC申請中

■かつての銀座は1万円札が飛び交って。チップも1万円だったのがいまは千円が当たり前

当時の銀座は、いわゆるバブル景気の直前である。

「万札が飛び交っていたわよ。石原裕次郎は、そのころたくさんいた花売りみんなの花を全部買ってくれた。脚が長くてカッコよかったわねえ」

さらにバブルの時代、銀座で飲むときは、店のママやホステスに花を買っていくのが男たちの慣習になっていたという。

「会社の先輩から、そう教えられたっていうからね。みんな1万円札で花束を買っていった。いちばん多く稼いでいたときは、月50万円くらいの収入になったわよ」

そんなころ、東京農大を卒業して竹中工務店に就職した長女から「花売りなんて恥ずかしいからやめてよ」といわれた。


「私のことを『花売りババア!』なんていうのよ。だから『花を売ったお金で大学に行けたんだろ。そんなに嫌なら出ていけ』って。出ていかなかったけど(笑)」

銀座で木村さんの2回目の取材をしていた11月中旬である。木村さんのなじみ客である清武徹さんが花椿通りに姿を見せた。一般社団法人の会長のほか14社を経営している清武さんは、数日前の深夜も花をたくさん買ってくれている。

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