くらし情報『最後の“銀座の花売り娘”81歳。作家・伊集院静さんとの路上での“対決”』

2022年12月4日 06:00

最後の“銀座の花売り娘”81歳。作家・伊集院静さんとの路上での“対決”

■お客さんが『いい花を安く買えてよかった』と喜んでくれるのが、いちばんうれしい

それにしても、コロナ禍で銀座は変わったと木村さんは嘆く。

「この間なんか、男の人がお店の女のコに花を買ってあげようと5千円札を出したら、そのコがピッと取り上げちゃったのよ。『花なんていらない。明日の朝食べるパンがいい』って。女のコたちも生活が苦しいからね。いまは、2万や3万で飲める店は厳しいのよ。でも一晩100万~200万使う老舗は流行ってる。格差がすごい。
高級な店のお客さんは、ビル持ちとか不労所得のある人、コロナに関係なく景気のいい会社の役員ね。IT系の社長とかも来てる」

並木通りを歩きながら話をしていると、店の場所を探しているらしきカップルがいて、木村さんが声をかけた。40年間、クラブやバーの看板を読みながら歩いている木村さんは、約3千店ともいわれる店の場所が頭に入っている。

「お花いかが。お店を探しているの?なんていうお店?」

しかしカップルはスマホの地図アプリを見ながら、顔も上げずに通り過ぎていった。

「昔はこんなふうに声をかけると、すぐにお店の名前を答えて、案内すると花も買ってくれたけどね」

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