コロナ新薬ゾコーバ緊急承認も「医療ひっ迫は変わらない」と医師が警鐘
「そして最大のポイントは薬価が高いこと。現在は公費負担ですが、もし5類となって全額公費負担がなくなれば、保険適用で3割負担でも、1回の処方で3万円程度は支払うことになりそうです」
政府は新型コロナの感染症法上の扱いを「2類相当」から「5類」へ引き下げる議論を加速させる意向だが、「それでも『医療ひっ迫』は変わらないでしょう」と岡教授は予測する。
「第8波に入ったとみなされる今、感染者は急増中です。すると医療現場が対応すべき患者さんも当然増えますので、すでに『医療ひっ迫』の状態を迎えつつあります。分類が変わっても感染者が減るわけではありません」
それどころか、政府が“コロナ対策は万全、旅行も安心”とアピールするほど「国民にコロナ軽視がまん延してしまう」と危惧する。
「今日現在コロナは弱毒化傾向にあるといえるため、高齢の方や基礎疾患のある方でなければ『感染しても重症化しないだろう』と楽観的な認識を持つかもしれない。すると、無症状感染者が市中を往来して感染拡大につながりかねません。院内感染は市中拡大に比例しますので、院内クラスターが多発することを恐れています」
医療従事者は5類感染症(季節性インフルほか)