くらし情報『元秘書・長尾玲子さんが初告白 寂聴さん、たった一度の弱音「私、傲慢だったわね」』

2022年12月30日 06:00

元秘書・長尾玲子さんが初告白 寂聴さん、たった一度の弱音「私、傲慢だったわね」

その2年後、大学3年生になっていた長尾さんに、当の寂聴さんから電話があった。

「書庫の整理に、寂庵に来てちょうだい」

こうして長尾さんは大学の休みなどを利用して寂庵に泊まり込みで通うようになり、卒業後に正式に秘書となった。

「昼間は執筆作業を手伝い、疲れ切って夜中に寝てたら、いきなり起こされて『寝ちゃった?』とくる。だって自分が『あたしは徹夜で書くから先に寝てなさい』って言うから寝てたのに(笑)」

それから、2人だけの深夜の宴会となった。話題は世間話に噂話。

「お酒はなんでも余っているものでよくて、アテは寂庵の裏の3坪の畑からねぎなどを摘んできて、瀬戸内自ら料理もして。切り昆布と梅干し、かつお節をくしゃくしゃと混ぜただけの簡単なものでも、これが意外においしいんです」

このころ、長尾さん自身の私生活でも変化があった。25歳で結婚し、翌年には長男も生まれた。
「出産や子育てで忙しい間は、母が私の代わりに手伝いに行ったりもしていました」

大病をしたあと、再び以前と同じように精力的に仕事をこなしていた寂聴さんだったが、長尾さんは、明らかな変化を感じ取っていた。

「瀬戸内にとって、あのくも膜下出血という、書くことを奪われるかもしれないほどの体験をしたことは、自分の人生を深く振り返るきっかけになったと思うんです。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.