2023年1月22日 06:00
「冷たくなった息子を心臓マッサージした父」コロナ放置死遺族の悲哀
そんなとき、同じくコロナ放置死で父を亡くした、遺族会共同代表の西里優子さんと出会う。
「話すことで、しんどいのは私だけじゃないって思えた。きっと、同じような人がほかにもいるはずと思ったんです」
話すことで、せめて慰めになれば。そう思って2021年9月27日に立ち上げたのが自宅放置死遺族会だ。
■「もう少し早く入院できていたら」
「いま政府にお願いしたいコロナ対策はなんですか?」
ちょうど第8波が始まろうとしていた昨年11月16日に開催された遺族会のオンライン会議では、事務局の担当者が遺族一人ひとりに、そう尋ねていた。署名活動に向けて、遺族の意見をまとめるためだ。
「誰もが当たり前に医療にかかれるようにしてほしい」 「診療拒否をなくしてほしい」
そんな声が、遺族から上がる。会のメンバーは、現在10人。
これまで月に1回程度オンライン会議を開き、医師や弁護士などの専門家も交えて、それぞれの事例を検証してきた。2022年4月には、高田さんが厚生労働委員会の参考人として招致され、「必要な人が適切な医療につながれる当たり前の環境を整えてほしい」と訴えた。また、立憲民主党と共同で「『自宅放置死』対策を求める要請」