くらし情報『「冷たくなった息子を心臓マッサージした父」コロナ放置死遺族の悲哀』

2023年1月22日 06:00

「冷たくなった息子を心臓マッサージした父」コロナ放置死遺族の悲哀

を厚労省に提出。さまざまな場面で働きかけを行っている。

「来る波ごとに、日本では感染者や死者数が増えているのに、もう〈コロナは終わった〉みたいになっていますよね。でも、私たち遺族のように、時がたっても〈家族をコロナで放置死させた〉という深い苦しみから抜け出せないでいる人はたくさんいるはず」

厚労省が昨年12月に発表した統計によると、第7波中に自宅死したコロナ患者は、少なくとも776人。善彦さんが他界した第5波(202人)の3倍以上に増えた。高田さんの呼びかけで、遺族会のメンバーが、つらい経験と胸の内を記者に話してくれた。

北海道旭川市在住の杉山文美さん(仮名・38)は、兄の笹森総一郎さん(享年42)を2022年3月21日に亡くした。陽性が判明して、わずか2日後の他界だった。
「兄は、拡張型心筋症という難病を抱えていて、本当なら即入院の対象でした。だけど、病院側が兄の疾患を保健所に伝え忘れたため、入院対象にならず自宅療養になってしまったんです」(杉山さん)

これが悲劇の始まりだった。「息子さんと連絡が取れない」という電話を保健所から受けた父が様子を見にいくと、総一郎さんは、ベッドで冷たくなっていた。

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