くらし情報『「冷たくなった息子を心臓マッサージした父」コロナ放置死遺族の悲哀』

2023年1月22日 06:00

「冷たくなった息子を心臓マッサージした父」コロナ放置死遺族の悲哀

当時の感染状況などもあり、沖縄に行くことができなかった高田さん。弟の友人の比嘉さんは仲間らと共に、善彦さんの遺品整理や、店の解体まですべて請け負ってくれた。火葬のあと、“偲ぶ会”も那覇市内で開いてくれたという。善彦さんの遺骨と遺品が高田さんの元に届いたあとの2021年9月25日。今度は、高田さんが喪主となって、大阪でも地元の友人らを招いて善彦さんの「お別れ会」を開いた。

「大阪の会場と沖縄をリモートで結んでね。沖縄の友人が、『千の風になって』や、弟が好きだったにぎやかなラップの歌を、太鼓をたたきながら歌う様子を大阪の会場で流しました。ほんまに温かくって、私、泣き笑いしたんです」

遺品の写真のなかから遺影に選んだのは、野球帽をかぶってニッコリほほ笑む善彦さん。
写真の下には、「Thank you everyone Someday somewhere(ありがとう、皆さん。いつかどこかで)」とのメッセージが記されていた。

「比嘉さんが書いてくださったんです。『きっとタケうっちゃんなら、こう言うはず。これで終わりじゃない。これからも僕らは、彼を忘れずに一緒に歩いていくから』って。そのひと言に、私、どれだけ救われたか……」

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