くらし情報『「冷たくなった息子を心臓マッサージした父」コロナ放置死遺族の悲哀』

2023年1月22日 06:00

「冷たくなった息子を心臓マッサージした父」コロナ放置死遺族の悲哀

弟の遺影とともに、思い出を振り返った(写真:今泉真也)

弟の遺影とともに、思い出を振り返った(写真:今泉真也)



【前編】「弟はなぜひとりで死んだのか?」コロナ放置死遺族の真相を探る旅に密着より続く

「弟が他界したとき、本来なら肉親である私が沖縄に飛んで、弟の店や家の始末などすべきでした。でも、弟が移住したころから兄のように慕っていた友人の比嘉篤志さんが、『お姉さん、コロナが蔓延しているから来なくていいよ。こっちは僕らに任せて。お姉さんの元に、遺骨と遺品を届けるから。タケうっちゃんが安心して旅立てるようにするのが僕らの役目だから』って言ってくれて」

そう語るのは、コロナに罹患しても医療にかかることができず、自宅で死亡した人の遺族でつくる「自宅放置死遺族会」の共同代表の高田かおりさん(48)だ。2021年8月7日に、高田さんは沖縄で居酒屋を経営していた弟の竹内善彦さん(享年43)をコロナで亡くしている。

ひとりで自宅療養中だった善彦さん。6日に保健所と連絡が取れなくなり、8日に警察と共に保健所職員が自宅を訪れたところ、善彦さんは自室のベッドで亡くなっていたという。
本来なら、患者本人と丸一日連絡が取れない場合、職員が自宅を訪問して安否確認するというルールがあったが、医療ひっ迫のために守られず、善彦さんは帰らぬ人となった。

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