くらし情報『「冷たくなった息子を心臓マッサージした父」コロナ放置死遺族の悲哀』

2023年1月22日 06:00

「冷たくなった息子を心臓マッサージした父」コロナ放置死遺族の悲哀

こうした遺族の事例を聞いてきた高田さんは、次のように続ける。

「現場の皆さんは、本当に一生懸命やってくださっているし、ヒューマンエラーは仕方ない。だけど、コロナ禍の医療体制は人間が作っているわけで、そこに不備があって命を落としたなら“人災”だと思う。政府や自治体には、そこを改善してほしい。他界した人たちの命をむだにしないために」

■思いやりでしかコロナには勝てない

高田さんが、いまいちばん心配しているのが、遺族会に参加している遺族をはじめ、全国に大勢いるであろう「医療にアクセスできずに家族をコロナで亡くした遺族たち」のこと。「ちょっと前までの私みたいに、もういつ死んでもいいみたいな、暗いトンネルから抜け出せない遺族は多いと思う。人は、つらいままでは生きていかれへんから」

遺族会のなかには、記者が話をうかがったほかにも、息子さんを亡くして、たったひとりになった高齢の女性もいる。

「その方は『自分はもういつ逝ってもいい。
死ぬまでマスクは外さない』っておっしゃって。でも、他界した息子さんだって、お母さんが苦しみの中で生き続けるのはつらいはず。きっと、幸せに生きて、って思っているはず。

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