2023年2月17日 06:00
卵の値上げがもたらす家計負担増…夫婦2人世帯で年9千円超も!
安くて栄養満点だった卵が一転、高価な食材になりつつあるーー。その爆上がり度合いは、農水省の食品価格動向調査の「全国平均小売価格」に見て取れる。
’23年1月9〜11日の鶏卵(サイズ混合、10個入り)1パックの価格は244円。2年前、’21年の同時期は204円だったため、なんと40円も高くなっているのだ。流通事情に詳しい経済評論家の加谷珪一さんは次のように話す。
「昨今の卵価格の爆上がりには、2つの事情が重なっています。一つは全世界的な資材価格の高騰によって、エサ代、光熱費、輸送コストなどの経費全般が上昇したこと。そこに、鳥インフルエンザ拡大の影響が加わったという流れです」
鶏卵は自給率97%(’20年度)と、ほぼ国内生産のみの食品だ。
だが少子高齢化によって消費量が減っており、養鶏業者は生産量を抑えながら需給バランスを保ってきたと加谷さんは言う。
「資材高騰と鳥インフルエンザを前に、一気に価格を上げざるをえない状況に直面したのです」
鳥インフルエンザが収まれば、卵の価格も元に戻るのだろうか。
「後継者が不足して高齢化している業者も多く、今回の鳥インフルが収まっても、廃業や撤退をしてしまうケースがありえます。