2023年2月20日 11:00
一括or分割…「企業年金」受け取り方で総額に大きな差も
退職金とDBを一時金で受け取ると「退職所得控除」が使えるが、この金額をオーバーすると、超過した金額の2分の1に所得税が課される。
「新卒で就職し、60歳の定年まで働き続けた場合、退職所得控除は2千60万円になります。ここで、仮に2千万円の退職一時金と600万円のDBを一時金で受け取ると、退職所得控除を超えてしまいます。そこで、DBのほうを分割で受け取る選択をすると、一時金が退職所得控除の範囲に収まるだけでなく、DBには『給付金利』がプラスされ、受取総額が増えるのです」
DBを分割で受け取ると、60歳から65歳まで年60万円までの年金収入が非課税になる「公的年金等控除」が使える。さらに、給付利率が1.5%であれば、600万円に給付利率がプラスされた609万円が分割される。ただし、5年、10年で受け取ると、公的年金等控除を超えてしまう。控除の範囲内に収めるには受け取る期間が15年など長くなる必要があるため、よく検討しよう。
60歳で定年退職した後、再雇用ではなく、フリーランスで現役並みに働く人も増えている。
DB、企業型DCの2つの企業年金に加入している人も増加していて、60歳時に一括ですべての企業年金を受け取ると、退職所得控除の枠をオーバーしてしまう。