2023年3月2日 06:00
広がる“高齢者ヘイト”原因は「失政を責任転嫁する政府にある」と専門家
《老害たちの社会保障費に、若者の金がとられている。自分勝手な老人が日本をダメにしている》
《寝たきりの老人を延命させるために、若者が犠牲になっている。コロナで死ぬのは寿命だろ》
いずれもネット上で、よく見られる主張だ。
■“政府公認”の高齢者たたき
「深刻な不況のなか、特定の悪者を作ってバッシングすることで、自分たちの責任を転嫁するというのは古くから権力者がやってきた手法です。日本では今、高齢者が敵にされている」
そう指摘するのは経済評論家の森永卓郎さんだ。
「財務省や与党の政治家は、高齢者からの税収は少ないのに、年金や医療などの莫大な社会保障費がかかっているから、財政健全化ができないと言い続けてきました。そのために、増税も必要だし、少子化対策もできないと。そうやって、世代間の対立をあおり、責任転嫁してきた。
その一方で、防衛費は大幅に増やすわけです」
成田氏ほど“あからさま”でないものの、こうした高齢者蔑視発言は、与党自民党からも、たびたび発せられてきた。その急先鋒が、麻生太郎元首相だ。総理大臣時代の2008年、「(同窓会で再会した友人たちが)よぼよぼしている、医者にやたらにかかっている者がいる」