2023年4月9日 06:00
きっと野島伸司のせい! トレンディドラマ時代終焉後の地獄絵図ドラマ全盛期
野島さんの人生も、またサクセスストーリーのドラマのよう」
■キラキラよりどんより。ドラマを変えた分岐点
’88年にフジテレビヤングシナリオ大賞に輝き、『君が嘘をついた』(’88年・フジテレビ系)で初めて連ドラの脚本を担当。
「当初は『愛しあってるかい!』(’89年・フジテレビ系)など、いわゆるトレンディドラマらしい脚本を描いていましたが、『愛という名のもとに』(’91年・フジテレビ系)では自死やパワハラをテーマとして扱い、徐々に社会問題や人間の暗部に焦点を当てていきます。大きな転機となった作品は、教師と生徒との恋愛、近親相姦、同性愛を扱った『高校教師』(’93年・TBS系)ではないでしょうか」
あまりに激しい内容に、テレビ局には多くのクレームが入った。
「今でいう“炎上”ですが、反響があればあるほど、視聴率が上がりました。ここから『野島作品』のスタイルが確立します。野島さんのドラマの特徴は、初回から数話先まではテンポよく、暗いテーマにもさほど時間を割きませんが、最終回に向け、どろどろした人間の暗部に斬り込みます。こうした手法も生かし、『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』(’94年)