2023年5月20日 06:00
安藤優子の学び直し「博士号をもらって号泣。宝物のような時間です」
その年ごろの留学生も多かった。私、今でも彼らと友達なんです。その後、就職したり、帰国したりしていますが、SNSによる情報交換などは続いてます」
■社会に出た後の学びこそ知識が深く身につく
若い世代にしてみれば、すでに豊富な社会経験を有する安藤さんから学ぶことも多かったはずだ。
「ですから私は、リカレントとかリスキリングという言葉が出てくるはるか前より、一度、社会に出て、自分が本当に学びたいものは何かを知ってから専門的な学びの場に行くほうが、より身になるんじゃないかというのが持論です」
12年間の大学院生活では、忘れられない光景があるという。
「博士号をいただけることになって、ご指導いただいていた主査の先生が『今日で僕の指導は終わりです』と言われたとき、私、号泣しちゃったんです。仕事との両立は大変で、心が折れそうになるときもありましたが、やっぱり研究室に行けば新しいことを学ぶ喜びがあった。それが終わるんだと思うと、やりきれなくて寂しくて。
本当に、私にとっては、人生の宝物のような時間でしたから。
実は、先日、先生にお会いして、『やっぱり、私、研究を続けたいです』と申し上げて、今後もご指導いただけることになりました」