2023年5月30日 11:00
岸田首相襲撃事件の容疑者が訴えていた被選挙権年齢の引き下げ…実現には厳しい現実
この訴訟は、昨年11月の1審判決で請求を棄却されるも、木村容疑者は「判決は全部不服である」として控訴。しかし、5月25日に大阪高裁は控訴を棄却した。
失敗に終わった木村容疑者の訴訟だが、昨今、日本では被選挙権年齢の引き下げを訴える動きが広がりつつある。4月に行われた統一地方選挙では、鹿児島県議選で21歳の大学3年生の生徒が、船橋市議選には22歳の大学4年生がそれぞれ選管に立候補を届けたが、被選挙年齢に満たないため不受理。2人とも、被選挙権年齢の引き下げを訴えていた。
現在の日本での被選挙年齢は、衆議院議員と都道府県議会議員などは25歳以上、参議院議員と都道府県知事は30歳以上となっている。果たして、この年齢は“適切”なのだろうか。そこで、社会学者で東京工業大学准教授の西田亮介さんに話を聞いた。
まず、世界的に見て日本の被選挙権年齢は高いと西田さんは言う。
「世界200カ国ほどのうち9割で、被選挙年齢の山が3つほどあって、18歳、21歳、25歳ですね。なので、日本の“25歳以上か30歳以上か”という区切りは、どちらかというとコンサバティブな年齢といえますね」(以下、カッコ内はすべて西田さん)