
命からがらスーダンから脱出したが、帰国後は休む間もなく日本全国の関係各所を訪ね歩きスーダンの支援に動いている
【前編】アフリカに「医」を届ける医師内戦スーダンの村人たちとの交流秘話より続く
「内戦が落ち着けば、スーダンに戻るつもりです。もっと医療を充実させたいし、今後は農業支援にも力を入れたい。日本との貿易がうまくいけば、地域の経済が回り、自立できます。その仕掛けのため、明日からは東京に行って、駐日スーダン大使に相談するんですよ」
と語るのは認定NPO法人「ロシナンテス」理事長・川原尚行(57)だ。スーダン内戦からの必死の逃避行を明かしてくれた。
「突然、ダンダンという低い銃声が絶え間なく続き、砲弾が撃ち込まれたような爆発音が重なりました。すぐに激しい戦闘が起きたことを悟り、日本大使館にメールで連絡を取ると、間もなく《残念ながら、内戦が始まったようです》と返信があったんです」
アフリカ大陸の北東部、エジプトの南に位置するスーダン。首都・ハルツームを拠点に“アフリカに「医」を届ける”活動を続けている認定NPO法人「ロシナンテス」理事長の川原尚行(57)が、いつものようにナイル川で朝日を拝む散歩から帰った直後のことだ。