くらし情報『スーダン内戦から決死の脱出 認定NPO法人「ロシナンテス」理事長・川原尚行(57)』

2023年6月11日 06:00

スーダン内戦から決死の脱出 認定NPO法人「ロシナンテス」理事長・川原尚行(57)

「小説『ドン・キホーテ』で、主人公がまたがる痩せ馬がロシナンテ。ときにはばかにされる存在でもあります。実際、私も外務省を辞めたとき“居続ければそれなりのポジションを得られただろうし、給料も上がっていったのに”と、笑う人もいたでしょう。

でも、たとえ弱い痩せ馬であっても、仲間が集まれば強い存在になれる。そんな思いからロシナンテを複数形にした『ロシナンテス』という名称にしたんです」

だが、こうした活動の前に立ちはだかったのが、突如、勃発した内戦だ。

■30時間以上かけた脱出行。ともに汗をかいた村のリーダーが危険を冒して迎えてくれた

「4月15日に男性スタッフと住む寮で銃声と砲撃の音を聞いて、ただごとではないと。窓からは爆撃機が見え、ビルが空爆を受ける様子も見えました。
家族にはLINEで《どうやら内戦が始まったらしい》と伝えましたが、女房は現実的には捉えられず、最初は《何それ》という反応でした」

しばらくは外出もままならないだろうから、籠城するためになじみの個人商店に買い物に出かけた。

「動きが早かったのか、1カ月分の食料品を買い込むことができました。事務所に隣接する女子寮にいる日本人スタッフ1名とも連絡を取り合い、水をためたり、ガスのチェックをしたり、電気が通っているときは常に通信機材などを充電しておくようにしていました。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.