2023年6月11日 06:00
スーダン内戦から決死の脱出 認定NPO法人「ロシナンテス」理事長・川原尚行(57)
水は貴重なので、ボトルは当然、お菓子の箱やおけなど、ためられるところにためました」
そんな様子を撮影して、LINEに《籠城成功!》と送ると、佳代さんからは水が蒸発しないよう《ラップをした方がいい》というアドバイスが返ってきたという。
長男や長女は、3歳と1歳になる孫の動画を送ってくれた。場所は離れていても、心のそばで家族が支えてくれていることを実感。
事務所の整理をするために外出するときは、細心の注意を払った。銃を持つRSFの軍人が街中にいるため、自分は日本人だからと身分を明かして、敵意がないことを伝えなければならない。 「家が襲われることも考え、持っていた現金を分けて、渡す分の見せ金を用意。パソコンも仕事で使うものは確保して、使わないパソコンや携帯も準備しました」
LINEを通して、夫婦や家族のやりとりが続いた。
《今日まで停戦。
静かです。明日からどうなるかは不明》
《ずっと停戦だといいのですが》
佳代さんが語る。
「LINEに《大丈夫?》と送って、既読がつけば安心。すぐに既読にならなくても、これまでも通信環境が悪いということはありました。でも1日待っても返事が来ないと怖くなるんです」