2023年7月2日 06:00
『涙のリクエスト』でスターに! 作詞家・売野雅勇明かすチェッカーズの素顔
「『涙のリクエスト』はデビュー曲には弱い、『ギザギザハート』くらいアクが強いほうがいいんじゃないかということに。じつはボクも『ギザギザハート』には詞をつけたんだけど、康珍化さんの書いた歌詞のインパクトにはとてもかなわなかったんですね」
だが『ギザギザハートの子守唄』のセールスは期待どおりには伸びなかった。だからこそ、チェッカーズのメンバーにとって、2曲目となる『涙のリクエスト』にかける気持ちは強かったという。
レコード会社のディレクターの結婚式会場のロビーで、チェッカーズの鶴久政治と武内享、藤井尚之と顔を合わせたとき、鶴久が話しかけてきたという。
「売野さん、次の『涙のリクエスト』は売れますか?」
「売れるよ」
「ボク、売れなかったら、久留米に帰って八百屋やらなくちゃいけないんですよ」
「八百屋もいいんじゃないの、おもしろいじゃない」
「いやですよ、チェッカーズのほうが千倍いいですよ」
「そりゃそうだよね、大丈夫、売れるから。ビートルズだって『Love Me Do』で全然売れなかったじゃない。次の『Please Please Me』で売れたんだよ」
「そうっすよね。でもビートルズなんて、話がデカすぎです」