私は唄い続ける坂本龍一さんの魂を…元ちとせが反戦歌『死んだ女の子』に込めた祈りと覚悟
「これも、坂本さんからお声をかけていただきました。『死んだ女の子』をレコーディングしたときも思いましたが、あからさまに戦争反対とかではなく音楽でしか生まれないもの、熱いものを、お互いに同じ温度感で作品に詰め込むことができた。つくづく坂本さんの音楽というのは、人そのものなんですね。彼のやさしさ、愛情、思いやりが、その根底にある」
■「戦争はいやだ」という作文を書いた娘。自分の歌の意味が通じた喜びを感じて
アルバム『平和元年』は、元さんが、戦後70年を迎えた’15年夏に発表した。『死んだ男の残したものは』『さとうきび畑』など平和への祈りが込められた12曲で構成され、『死んだ女の子』もこのアルバムで聴くことができる。
「全曲カバーのこのアルバムを作ろうと思ったのは、坂本さんとの共演もきっかけの一つですし、さらには、吉永小百合さん(78)との出会いも大きいです」
アルバムの題字を書いたのは、その吉永さん。
「広島の平和コンサートに坂本さんとともに呼んでもらったときに、吉永さんとお話ししました。
あの方は、戦後と同い年なんですね。『戦争から何年たったかを忘れてほしくないから、年齢を公表しています』と。