2023年7月9日 06:00
私は唄い続ける坂本龍一さんの魂を…元ちとせが反戦歌『死んだ女の子』に込めた祈りと覚悟
吉永さんが平和に対する思いを、朗読会などを通じて届け続けていることに心打たれました」
そしてもう一つ、元さんの気持ちを後押ししたものがあった。
「前年に当時小学3年生の娘が書いた作文のタイトルが『戦争はいやだ』。私は、あんまり教育熱心でもなく、立派なお母さんを目指したこともありません。母と娘というより、同じ一人の人間として互いに歩いているという気持ちできたので。
ただ、『死んだ女の子』もそうですが、子供に私の歌について話すときに、戦争で奪われなくてよかった命が奪われることもあるんだよ、ということは常々話していました。幼い娘が聞いて、そこで生まれたハテナが彼女の引出しに残っていて、やがて成長して戦争報道のニュースなどを見たときに、『あっ、ママの言ってたことはこれだったんだ』とつながっていたと知りました。ああ、歌い続けてきてよかったと思えたんです」
ウクライナとロシアの戦争も出口が見えないなか、平和への願いを歌い続けている元さんが今、思うこととは。
「奄美や沖縄の基地のことも含めて、何も知らないですむことじゃないですからね。
いろんな考えがあるのは当然ですが、自分の意志を持つことは大事と思っています。