映画館、出演者からは不安も…異例の“宣伝しない宣伝”『君たちはどう生きるか』の賭け
(前出・映画関係者)
東京・立川にあるシネコン「CinemeCity」の6月30日に公式Twitterで、同館の室長の言葉をこう紹介している。
《チラシも予告編もなければ公式HPもない、まったく宣伝しないという前代未聞のスタイルで挑む、全世界待望の宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』は完全に秘密のヴェールに包まれており「冒険活劇ファンタジー」であること、宮崎監督の伝記的要素のある作品であるということだけが、発表されている。期待しかないのだが、映画館スタッフとしては心配で仕方ないという二律背反》
出演者、映画館も巻き込む、鈴木プロデューサーの“宣伝しない宣伝”スタイル。しかし、大きな賭けに出られる理由があるという。
「これまでのジブリの映画といえば、様々な企業が資金を出資する製作委員会方式がほとんどでした。この方式の場合、ヒットさせて資金を回収する必要がありますから、内容や宣伝方式などにおいて、出資企業の意向を少なからず反映させる必要があります。
ただ、今回の『君たちはどう生きるか』はスタジオジブリの単独出資で製作されています。製作費をジブリですべて出している以上、ヒットしなければ大幅な赤字を背負うリスクもありますが、内容や宣伝方針について口を出す“部外者”もいません。