石川ひとみさんのデビュー45周年秘話「『まちぶせ』は引退前提の歌でした」
『違う!そうじゃない』とか言われると萎縮してしまうじゃないですか。そんな感じじゃなくて『そう、それでいいの、その感じで悲鳴を上げたら大丈夫、大丈夫』って優しく教えてくださいました」
■『まちぶせ』との運命的な巡り会い
司会や声優として活躍していたものの、あくまでも本業は歌手。歌謡界での同期の華々しい活躍を見て、ひとみさんはある思いを心に抱くようになっていた。
「両親とは『4年間だけ東京で社会勉強という形でチャレンジします』という約束をして上京したんです。その4年目に入ってしまったときに、自分で夢に描いていた『たくさんの人が知っているヒット曲のある歌手』という姿とは違っていて。それで次の曲でピリオドを打ってこの先の人生を考えなおそうと思っていました」
そう決心していたときに巡り合ったのが、後に大ヒット曲となる『まちぶせ』だったのだ。
実はひとみさんがこの曲と出合ったのはこれが初めてではなかった。そこから遡ること5年前。
「私が渡辺プロの音楽学院の名古屋校に通い始めたころでした。そこでのレッスンの課題曲が『まちぶせ』だったんです」
『まちぶせ』は当時、事務所の先輩だった三木聖子さんが’76年に発売した曲。