床バレエで人気の“美尻王子”が同性婚!〈2〉ゲイである自分を押し殺していた2人の運命的な出会いと葛藤
最初に連れていってもらったときもクリス、自分の国に着いた途端、無意識にだと思うんですが、繫いでいた私の手を、パッと離したんです」
リトアニアについて説明する竹田さんの言葉を、クリスさんは頷きながら聞いていた。そして、自らの言葉でこう続けた。
「だから僕、リトアニアにいたころは自分でも気が付かない間に、自分をすごく、押さえつけて生きていたと思う」
自分を押し殺しながら、大学生のころまで祖国で過ごした。
「建築を学んでいた大学生のとき、EUのコンクールで僕の設計したリトリートのプロジェクトが1位になりました。それを見た、日本の会社にスカウトされたんです」
’11年に22歳で来日したクリスさんは、日本で建築やインテリアの仕事を始めた。そして5年後の春、運命の出会いが訪れる。
「東京で、友達のバースデーパーティに招かれて行ったら、そこに純くんも来ていたんです」
こう振り返ったクリスさんに、「先に見つけたのは、私よね」と竹田さんが言葉をさし挟んだ。「まさに一目惚れでしたね。
パーティ会場で、遠くからずっとクリスのことを見ていました。彼が一人になったのを見計らって近づいていって。それで『ハーイ』って声をかけた。